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お茶の間実験室

カレーの着色実験

みゆきさん
「いままでカレーを食べても、あまり黄色くならなかったのに今月は随分と色がついてしまいました。」
衛生士伊藤
「カレーの種類でも換えましたか?」
みゆきさん
「えっ!換えました!」

ということで実験してみました。

矯正治療中、歯にブラケットというものを付けますが、それにワイヤーを固定するときにエラスティックリングを使います。これがカレーなどによって着色してしまうのです。

左の写真は診療後にリングを交換したばかりの状態です。透明です。

1ヶ月後の色です。カレーを2回食べたそうです。ブラケットのまわりにかけてあるリングが黄色く着色しています。

カレーの種類、辛さの違いで着色の程度に違いが出るかどうか?時間によっても違いがあるか?

実験で使用した材料:一般にスーパーで販売している固形カレールーを使用

  • <ハウス> バーモントカレー(甘口と辛口)、ジャワカレー(辛口)、こくまろ(辛口)
  • <S&B> ゴールデンカレー(辛口)、とろけるカレー(辛口)
  • <グリコ> 熟カレー(辛口)

それぞれのカレールーを作り方に従ってルーのみを調理しました。

左上バーモントカレー辛口、右上バーモントカレー甘口、左下こくまろカレー、右下ジャワカレー。

カップにルーを入れて、それぞれにブラケットにワイヤーを止めるエラスティックを沈めます。

5分沈めた後水洗、20分沈めた後水洗、40分沈めた後水洗、20分沈めた後水洗し、再び20分沈め水洗、の4つの条件で色を比較。比較の対象として、お湯に同じ時間入れた場合とオリジナルのエラスティックも比較しました。

カレーの着色実験の結果

(エラスティックリングは左から5分、20分、40分、20分を2回の順)※クリックで拡大表示

お湯に浸けた場合やルーに浸ける前の状態と比較するとよくわかりますが、カレーによってエラスティックは着色しました。カレーの種類による違いは、ゴールデンカレーと熟カレーがわずかですが濃く着色しました。

バーモントカレーで比較した、辛さによる違いはありませんでした。ルーに浸けている時間が長くなると、より濃く着色しました。

カレーを食べた後にワイヤーを留めているエラスティックリングが着色するのはルーに含まれているウコンが主な原因です。この量の違いによって着色の程度が違ってくると思われますが、ルーの色が濃いからといって(バーモントの辛口と甘口)、より着色しやすくなるわけでは無いようでした。

また、ジャワカレーは辛味順位表の5でバーモントカレーの甘口の1よりもずっと辛いのですが着色の程度に差は無く、辛さによる違いも出ませんでした。

元々、ウコンに辛味は無く、ルーの辛さには影響しないと思われます。なお辛味順位表は全社で統一されているのではなく、それぞれ各社が甘口を1として、食べたときの感覚で決めているそうです。

カレーを食べた後はすぐに歯を磨く

着色の程度はカレーに接している時間が長いとより色が濃くなる傾向があります。途中で1回出して洗い、もう一度カレーに浸けた場合も浸けている合計時間が同じであれば、続けて浸けていたのと同じ程度に着色しました。ですから、カレーを食べた後すぐに歯を磨けば、食後放って置いた場合に比べ、着色しにくく、何度も食べられるというわけです。

面白かったのは、温度によって着色の程度が違ったということです。冷えたカレーに20分入れてみました(実は取り出すのを忘れて、温めずにやり直したのですが..)。

実験結果写真のとろけるカレーと熟カレーの左から2番目下段のものです。温かいカレーに比べて、着色の程度がはっきりと違いました。ということは、カレーを食べたいけれど、黄色くなるのはイヤ、という方は冷えたカレーを食べることをお薦めします。と言っても、ここまでして食べる方はあまりいないかな..。

食べたら、できるだけ早く歯を磨く。これが一番簡単なようです。後はエラスティックリングは毎回診察時に交換しますので、診療の前日に好きなだけ食べるというのも手ではないでしょうか。もっと良い方法を知っている方は教えてください。